目次
遺言書の書き方
① 記載漏れをなくし、適切な文言を使用する
せっかく遺言書を作成しても財産の記載に漏れがあったりした場合は、その財産については効力は生じません。ですので、不動産や預貯金に限らず、有価証券や高価な貴金属など全ての財産について記載するようにしましょう。 それに加えて、「その他一切の財産は~に相続させる」等の文言を用いれば、遺言時から死亡する時までに増加した財産を含め、全ての財産を対象とすることができます。 また、用いる文言についてですが、できるだけ正確にわかりやすい書き方にしましょう。読み方によっては異なる解釈ができるような書き方では、遺言者の方の意思が正確に伝わらず、かえって争いの元となってしまいます。 なお、遺言は、15歳以上であれば、未成年者でも書くことができます。
② 予備的遺言を入れる
遺言書で、相続分を指定したり遺贈をすることとした場合で、指定を受けた推定相続人や受遺者が遺言者より先に亡くなってしまった場合はその部分については無効となってしまいます。そのような場合に備えて、「~が先に死亡した場合は、~に相続させる。」のように第2次的な遺言の記載をしておくことをおすすめします。もし、再作成をすることとなれば、手間と費用がかかってしまいます。
③ 遺留分を考慮する。気持ちも伝える
それぞれの相続人(兄弟姉妹を除く)には、民法により最低限取得することができる相続分が保証されており、これを「遺留分」といいます。もちろん、遺言者の方の意思を尊重し、「~にすべての財産を相続させる」という遺言をすることは可能ですが、後日、遺留分権利者から請求がある可能性があることや、協議が整わない場合には裁判所が関与する手続きに移行する可能性があることも考慮されてください。 遺留分にも配慮した遺言が望ましいと思いますが、遺留分を度外視した遺言の場合は、なぜ、その相続人にだけ多くの財産を残すのか、その理由も添えておくと相続人間でも調整がしやすいのではないかと思います。 なお、相続人が兄弟姉妹である場合は、遺留分はありません。
④ 遺言執行者を指定する
遺言者の方が亡くなられた後には、遺言の内容を実現するために不動産の名義変更(相続登記)や、預金口座の払い戻しや解約手続きを行うことになります。その際、遺言の対象となっていない他の相続人の方々の実印が必要となる手続きがでてきます。遺言者の方のご意思とはいえ、自らの相続分が減少したり、全くもらえなくなったりした相続人の方に印鑑をいただくのは、面倒ですし、協力を得られるかどうか不安があります。 この場合、「遺言執行者」を選任しておけば、多くの手続きを遺言執行者が法定代理人として単独で処理することができます。また、利害関係がなく、より中立な立場である執行できる専門家が遺言執行者となる機会も増えております。
⑤ 家族へのメッセージ
法律的に意味のある遺言は、民法で決められています。 もちろんそれ以外のことを書いてはいけないというわけではありません。 法的には効力を一切持ちませんが、家族へのメッセージや遺言を書くに当たっての心境(なぜ、このような遺産配分をしたのか、など)を前文に残しておくことも良いかもしれません。
自筆証書遺言作成のポイント
- 全文を自筆で書くこと(財産目録はパソコンで作成しても構いません)
- 縦書き、横書きは自由で、用紙の制限はありません。筆記具もボールペン、万年筆など何を使用しても構いません (録音や映像は無効です)
- 日付、氏名も自筆で記入すること
- 捺印をすること。認印や拇印でも構いませんが、実印が好ましいです
- 加除訂正する時は、訂正個所を明確にし、その個所に捺印の上署名すること
公正証書遺言の作成のポイント
- 証人2人以上の立会いのもとで、公証人役場へ出向くこと
- 遺言者が遺言の内容を公証人に口述すること
- 公証人がその口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、または閲覧させること
- 遺言者および証人が筆記の正確なことを承認したうえで、各自が署名捺印すること
- 公証人がその証書を法律に定める手続きに従って作成されたものである旨を付記して、これに署名捺印すること
昭和59年明治大学経営学部卒業。銀行勤務を経て平成元年司法書士試験合格。昭和63年から平成3年まで室原司法書士・土地家屋調査士事務所に3年間勤務。平成15年に司法書士法人リーガルシップを設立し、代表を務める。その後、地元熊本での相続関連業務を中心に業務を拡大し、相続対策に関する特集で取材を受けるなど、相続分野で今最も注目を集める士業資格者の一人である。相続・遺言・贈与に留まらず、税理士と提携した相続税対策や不動産会社や解体業者と提携した空き家問題解決策などにも幅を広げ、相続に関する顧客の課題をワンストップで解決している。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累計相談件数3,000件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。
- ※当ホームページの掲載内容につきましては細心の注意を払っておりますが、提供しております情報が古い場合や、不定期に更新される場合もありますので、詳細は当事務所までお問い合わせください。
- ※当ホームページの掲載内容(テキスト、画像、資料等)の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、キュレーションメディアなどのまとめサイトへの引用を厳禁いたします。
主な相続手続きのメニュー
詳しい事務所情報は下記をご覧ください
相続・遺言の無料相談・お問い合わせはこちら
相続・遺言におけるお悩みやお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。
私たちは、相続の専門家として、単に手続きを進めるだけでなく、相談者の想い、相手方の想い、それぞれに想いをはせて、不安やお悩みを少しでも和らげることが使命だと考えております。
そのために、相談者様に寄り添い、しっかりと相談者様の話を聞くことを、常日頃から特に心がけています。