相続人が行方不明の場合の相続手続き
いざ、相続手続を行おうとした際に、相続人の中に行方不明者(不在者)がいる場合があります。しかし、その行方不明者を除いて、遺産分割協議などの相続手続を行う事はできません。
相続人の中に行方不明者がいる場合、行方不明者の代わりに不在者財産管理人を置き、その不在者財産管理人を含めた相続人全員で遺産分割協議を行わなければいけません。
不在者財産管理人を置くには、管轄の家庭裁判所へ不在者財産管理人選任申立を行います。原則は、不在者の最後の住所地(居住地)を管轄する家庭裁判所へ申立しますが、不在者の最後の住所地が海外の場合には、東京家庭裁判所に申立します。
ただし、相続財産がある住所地と、不在者の最後の住所地(居住地)が異なる場合は、上記原則に限らず、管轄裁判所を合理的に判断したほうが良い場合もあります。そのような場合には、申立前に裁判所と協議の上、必要書類を添えて財産がある住所地の裁判所へ申立することもありますし、移送申立書を添えて本来の管轄裁判所へ申立することもあります。
※当事務所は、司法書士の事務所であり、業務範囲は、司法書士法3条、29条1項1号に定める業務となります。 税金は税理士、紛争は弁護士等、資格により業務が異なるため、必要により、他資格者をご紹介します。
不在者財産管理人選任申立に必要な費用及び書類
不在者財産管理人選任申立に必要な費用は下記の通りです。
- 収入印紙800円分
- 連絡用郵券(申立裁判所へ確認)※裁判所ごとに違うため
- 予納金
不在者財産管理人が不在者の財産を管理するために必要な費用、報酬などを含んだ金額を予納金として納付する必要があります。事件の内容により金額は異なりますが、10万円~100万円ほど必要です。相続財産が大きい場合や複雑な事案などであれば100万円以上必要な可能性もあります。
当事務所では、他事務所の協力司法書士や弁護士の先生を管理人候補者として、推薦して申立をすることも可能です。そうすることにより、事案によりますが、予納金の額を抑えることができることがあります。
※推薦した管理人候補者が必ず選任されるとは限りませんのでご注意ください。
不在者財産管理人選任申立の標準的な必要書類は下記の通りです。
- 申立書
- 不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 不在者の戸籍附票
- 財産管理人候補者の住民票又は戸籍附票
- 不在の事実を証する資料
- 不在者の財産に関する資料(不動産登記事項証明書、預貯金及び有価証券の残高が分かる書類(通帳写し、残高証明書)等)
- 利害関係人からの申立ての場合、利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)、賃貸借契約書写し、金銭消費貸借契約書写し等)
不在者の最後の住所地が海外の場合
不在者の最後の住所地が海外の場合、事前に、外務省が実施する「所在調査」を行う必要があります。
外務省の「所在調査」については、外務省ホームページをご覧ください。
昭和59年明治大学経営学部卒業。銀行勤務を経て平成元年司法書士試験合格。昭和63年から平成3年まで室原司法書士・土地家屋調査士事務所に3年間勤務。平成15年に司法書士法人リーガルシップを設立し、代表を務める。その後、地元熊本での相続関連業務を中心に業務を拡大し、相続対策に関する特集で取材を受けるなど、相続分野で今最も注目を集める士業資格者の一人である。相続・遺言・贈与に留まらず、税理士と提携した相続税対策や不動産会社や解体業者と提携した空き家問題解決策などにも幅を広げ、相続に関する顧客の課題をワンストップで解決している。事務所開設以来、多数の相続の相談を受けており累計相談件数3,000件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。
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